「もうガラケーに戻りたい」と夫に弱音を吐いたある日。「それはもうテクノロジーとうまく付き合うしかないね」と共感皆無にバッサリと切り捨てられた。そんなァ。
脳が貧乏ゆすりをするのである。机の上にスマホを置いておくだけで集中力が低下するという有名な研究があるが、私からしたら机の上のみならず、どこにあったって、何がみたいわけでもなく、ただただいじりたいという衝動に駆られる。
日々の振り返りでどんなに明日こそは日中にスマホをいじらないぞ、と固く心に決めても、息子のお供中にいつのまにか、まるでゴキブリほいほいに集まるゴキブリのようにスマホの思うがまま、スマホを使っているのではなく、スマホに操られていた。
自分との約束に敗れ続け疲弊していたある日、救世主に出会った。


正方形のマグネット、名をBrickという。スマホの機能制限マグネットとも言えるだろうか。無意識に開いてしまうアプリを選択し、ブロック、いや、ブリックすると、次にこのマグネットにかざすまでそのアプリが閲覧できなくなるという仕組みである。65ドルぐらいするがその価値あり、と珍しく迷わず購入を決めた。(自分の本当に欲しいものはこうやってわかるものなんだな)

最初に全てのSNSをブリックしたときは心底安心した。これでもう、スマホイホイにいかなくて済む。制御不能に暴れ狂う身体をガタイの良いSPにガッチリとホールドしてもらった感覚であった。そして1ヶ月が経った今日この頃にこの日記を書いている。
途中経過、スマホイホイにはまだ行ってしまう。あはは。(面白いのはSNSをブリックしたら次は写真フォルダを息子かわええのぉ〜とながめはじめること。それに気がついたら次は写真フォルダもブリックに加える、その連続で今に至る)がしかしそこにはもう粘着テープはないので数秒で意識を取り戻せる。そして生まれたスキマ時間にちょこちょことした家事を行えるようになった。そのおかげか妥協のご飯が減り、充実した気分になった。ただ、スキマ時間の使い方にまだ慣れておらずソワソワと部屋をうろついてしまう。いまは細切れの時間で何をするかをぼーっと考えている。
Make your smartphone a tool again.
Brickの箱を開けたときの広告文句である。世界中の人と繋がる、手軽に情報を得る。そうやってスマホを利用していたはずなのに、いつの間にか、スマホによるアテンションエコノミーの奴隷となっていた。Brickのおかげでどこに自分の注意を向けたいのか、今一度考える良い機会になっております。これがテクノロジーとうまく付き合うということでいいでしょうか、ネ?
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