暇潰日記「寿司職人スイッチ」

ビビングクスの盛り付けをしていた時のこと。いつもなら、とりあえず卵の黄身やらゴマやらで美味しい感を出し、なんだか上手できないなあと思う気持ちをもんやりと抱えながら、器を食卓に出すのだが、その日は違った。自分の中の寿司職人スイッチが入ったのである。

手に弾みをつけながら、それぞれの具材をお箸でリズムよく麺の上にのせていく。崩れたところは、ちょっちょっと指で整え、そして最後に、濡れ布巾で指を拭いて・・まではしていないが、とにかく、寿司職人をイメージしたら、盛り付けが軽やかにできるようになった気がしたのだ。

「外的環境を用意すると身体が全体的にうまく動く可能性がある」と、為末大氏がYoutubeで話していたことを思い出す。ある動きを再現するには、自分の内部に意識を向けるのではなく、外の環境をイメージするといいと。例として、役者が怖がる演技をするときに、ただ怖がろうとするのではなく、勝手に怖がってしまうような外的環境をイメージすることが1番大事だとスタニスラフスキー(だれ)の本「俳優修業」の話をしていた。おもしろい。

そうなのだ。泳ぎを教えるときにも、クロールのフィニッシュは自分の身体側に入るのではなく、少し外側の斜め後ろだと伝えても全く伝わらない。ただ斜め後ろに出せばいいだけなのになぜ?と思っていたのだが、イチロー氏がユニクロのイベントで野球での走りかたを説明しているのを聞いて理解した。「上半身には力を入れない。下半身が動くことで股関節が前に出る。それで肋骨が動くことで腕が勝手に触れる」・・・ファ?(ごめんなさい)言葉が体に染みる前にスルスルと記号として耳から流れ出ていく。

クロールのフィニッシュなら、壁にかかったあの時計に向かって水をかけるように。盛り付けなら寿司職人のように。そうやって動きの焦点を自分の外側に設定してみると、こわばった身体が解けて動きやすくなる。日々の色々な場面で活かせそうなことだなと、そんなことを考えた今週のことでした。

まって写真見返したら全然うまくなかった あはは

ブログも2年が経過、ただの自分へのラブレターを、いつも読んでくださってありがとうございます。



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