Life of T

アメリカ・ボストンでの生活のこと


滞米日記「商品棚の前で原材料とにらめっこ」

前は値札だったが、最近は原材料を見てスーパーで立ち悩むようになった。でも実際は何が身体に悪いのかわからず、ナントカフォスフォライト的な(超テキトー)よくわからない長い名前の人工的っぽいものが入ってたら避けておこう、的な中途半端な意識でやっている。(だから時間がかかる)

少し神経質になっているのには理由がある。アメリカの食べ物が信用できないからである。日本では主婦していなかったので気が付かなかっただけかもしれないが、食べ物のリコールが多い。いつも買ってるニンジンやマックのクオーターパウンダーに大腸菌が検出されたり、シナモンに鉛が入っていたり(家にあったシナモン全捨て、ガラムマサラもカレー粉も)、身近なものが安全ではない経験がいくつか起きた。最近は赤色着色料にガン発生と子どもの問題行動リスクが確認されたというニュースもあった。その後のアパートのイベントで真っ赤なデコレーションのマフィンとかが出されると、もう何も信じられない、となる。

上の部分だけ剥ぎ取って食べた

話は逸れるがその不信は食だけにとどまらない。KirklandブランドのBaby Wipeが赤ちゃんにとって害のある成分(日本でも水道水に検出され話題のPFAS)を規定値以上含んでいると裁判沙汰になった後に、そのワイプが割引で店頭で売り出されていて衝撃を受けた。他にも黒いプラスチックのヘラなどのキッチン用品に発がん性が確認された時も何食わぬ顔でそれらをセールしてたり、アメリカのビジネスは消費者ファーストでなく利益ファーストなんだという認識が私の中で出来上がってしまった。どこまでも自己責任社会なことに日本人のわたしはため息が出る。

と、こういう背景から、食でも物でもなるべく安心安全な選択をできるようにと、子が生まれてから、意識的に原材料を見るようになった、というわけである。

ある日、ベビーフードのビスケットの原材料を眺めていたらパームオイルと書いてあった。ん?パームオイル?これって何か悪いんじゃなかったっけ?赤ちゃんにあげる食べ物に入ってていいの?!と驚いた。そしてその次の日、ふと思い立って、試食をして勢いで買ったコストコの激安マフィンの原材料を確認したら、これまたパームオイルが入っていた。むむむ。あやふやな原材料知識を終わらせる時がきたか・・とノートパソコンを開いた。

ということで今日はコストコの激安美味マフィンに入っていた健康に良くない?とされている原材料を3つ勉強がてらまとめてみた。

ダラダラと言い訳がましく長い原材料

Bleached Flour(漂白小麦粉)化学で小麦粉の白さを引き出したもの。小麦粉を作るためには、小麦を脱穀してから寝かせる時間があるらしい。そうして寝かせる間に小麦粉の“素”が酸化して白くなっていく。へえ。その間、だいたい夏は2週間、冬は1ヶ月。それではコスパが悪いと作られたのがBleached Flour。脱穀してすぐに漂白用の化学物質を混ぜ、寝かせる時間を短縮する。使われる化学物質(chlorin dioxide, benzoyl peroxide, chlorin gas)は認可されているものだが、ない方が安心だよね、我々の小麦粉は漂白処理してないお、とアメリカの小麦粉メーカーキングアーサーが言っていた。例外は臭素酸カリウム(Pottasium bromate)。これも小麦粉の酸化に使われることがあるが、その発がん性によりカナダやヨーロッパでは使用が禁止されている。しかしアメリカではカリフォルニア州以外では未だ使用が認められている。ちなみに日本では最終形態に残ってなければ使用可能としていて、山崎パンなどが角食パンに使っている。(その方が水分を吸収して食感がしっとりになるんだって)

Enriched Flour(栄養強化小麦粉)脱穀と酸化のプロセスで消えた栄養を後から再度加えたもの。戦時中の栄養補填として生まれた。(Wikipediaより)後から加えるんだったら最初から全粒粉でいいじゃんと思ってしまうが何か理由があるのだろう・・健康に悪いと言われることがあるのは、栄養強化小麦は漂白処理されていることが多いからみたい。確かにマフィンにもBleached Enriched Flourと書いてあるね。

Palm oil(パームオイル)パームの実から採れた油。Palm kernel oilというのもあってそれは種から採れた油のこと。実はパームオイルはバターよりも害がない。健康には良くないとされているのは単に、飽和脂肪酸の一種だから。飽和脂肪酸?ほえ?となるが、室温で固まっている脂(バターとかチーズとか牛脂とかココナッツオイルとか)が飽和脂肪酸だと思えばいい。飽和脂肪酸は、身体のエネルギー源になるが、炭水化物から体内で生成できるので摂りすぎになることが多い。そして摂取過多になると、悪玉コレステロールが増えて心臓や循環器疾患につながるとのこと。調べてみると食品のみならずシャンプーや歯磨き、口紅などにも入っていて、これといって絶対に避けるべき原材料ではなさそう。パームオイルの悪名高さはその生産効率性による森林破壊からでした。あはは。

これらの情報を踏まえてどう選択するかは人によるのでしょう。取り急ぎわかったことは、え、このマフィン、パームオイル入ってんじゃん!前回このブルーベリー味買ったときほぼ1人で全部食べちゃったよどうしようブルルと恐怖に怯えたほどではないことがわかりました。



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