Life of T

アメリカ・ボストンでの生活のこと


米旅日記「ニューオーリンズで食べたあのエトュフェーの味を思い出そう」

Etoufee (エトュフェー)ーそれはニューオーリンズ名物の1つである。ケイジャンまたはクレオール料理版シチューと言ってもいいだろう。主に甲殻類をケイジャンスパイスとセロリ、パプリカ、玉ねぎなどと煮込んだものになる。現地ではザリガニ(!)を入れたりするそうだ。Etoufeeとは英語でsmotherを意味するフランス語である。smotherには窒息させるなどという意味があるが、料理に使う場合、蒸し煮を意味するらしい。最初はなんというネーミング!と驚いたが、酸素を奪うという意味では共通するものがあり非常に納得である。

ちなみにケイジャン料理とクレオール料理の違いは何度調べてもよくわからない。結構重なっている部分もあるようだが、ケイジャン料理がルイジアナ南部に移住したカナダのアルカディア地方のフランス入植者起源なのに対し、クレオール料理はフランスとスペインからの入植者がもたらした食文化に奴隷制にてやってきた西アフリカの文化を加えたものが起源らしい。簡単にいうと、クレオールがシティ料理、ケイジャンが田舎料理だと、そうネットに書いてあった。はて。味付けの違いとかがあればわかりやすいのだが。土地の争いの歴史がニューオリンズにはつまっていることだけはわかる。

このエトュフェー、晴れて私のニューオーリンズグルメランキング第3位にランクインしたのである。出会いは、初日に空腹のあまり、特に吟味せずに名前にクレオールと入ってるから良きでしょうと選んだCreole Houseというレストランにて。ちょっとずつ色々なものを味わう戦法でNew Orleans Samplerというメニューを頼んだ時のことであった。ガンボ、ジャンバラヤ、そしてエトュフェー。ガンボとジャンバラヤはなんとなく味がわかるものかつとんでもなくしょっぱかった(笑)のに対し、エトュフェーだけが自分の中で新しい味かつしょっぱくなかった。だから印象に残ったのだと思う。そしてグルメランキング記事を書こうと重い腰を動かしたものの、初っ端、第3位のエトュフェーでどうしてもフリックが止まる。なんと、味が思い出せないのである。あはは。

奥からジャンバラヤ、ガンボ、エトュフェー
このレストランは胸を張っておすすめしません

ということで、いつものように前置きが長いが、あのエトュフェーの味を思い出そうとお土産に買ったインスタントを作ってみた。感動のままに買っておいた自分ナイス。

袋を開けて、スーハーっと香りを嗅ぐ。ああ〜いいにおい。自分の感覚に間違えはなかったことに安心する。残念ながらその香りを読者に想起させるほどの文章力はなく、セロリとパプリカとオニオンといろいろなハーブの香りにお腹の鳴る香りだったと、原材料を羅列することしかできない。

そしてさすがインスタント、とても簡単。バターとこの粉を混ぜ炒めて、甲殻類を入れて水で窒息させれば完成。今回は冷凍庫にある冷凍エビと、粉にセロリとか野菜が溶けてるとはいえ流石に野菜ないとなと、紫玉ねぎを入れることにした。

スープに溶け込んだ野菜とシーフード(えび)のまろやかさがクセになる。シチューの代わりには少し物足りない感じもするので何か別にメインを用意するとよいかもしれない。インスタントは普段あまり使わないけれど、大変な時には肩の力抜いて使うのもありだなと改めて。自分では簡単に作れない味を、楽して楽しめる。

最後に、エトュフェーと出会わせてくれたCreole House、エトュフェーは美味しかったけれど、オニオンスープもガンボもジャンバラヤも炭火焼き牡蠣も全部がしょっぱかったので(認めたくなかったけど認めざるを得なかった)いくつもおいしいの選択肢のあるニューオーリンズで、断固おすすめしない。という情報がネットにあったらよかったなと思ったので、2度書きました。



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