Life of T

アメリカ・ボストンでの生活のこと


滞米日記「自分のブランド好きにハッとする」


ブランドに左右されずにいいものを見極められるようになりたい、ある日。私の数少ないお友達がまたボストンを去っていく。夫のPh.D取得にボストンに帯同し、自分もその期間を無駄にしたくないとボストンにあるアートスクールを見つけ、見事学位を取得。彼女の自分で自分のキャリアを築いていくという気概にはいつも刺激をもらう。彼女はジュエリー制作が専門なのだけど、絵もうまくて、夫の転職祝いに大学の絵を描いてもらった。今も家の壁に飾ってある。

彼女は自分の気持ちに正直に、フレンドリーに、色々と話してくれる。(うれしい)キャリア構築の不安、子作りへの葛藤、などなど、夫の仕事を軸に海外生活をするものとして共感することが多い。尊敬するのは、そういう気持ちを自身の活動の原動力としているところ。彼女のように自分の理想に向き合い、行動に移すことはそう簡単なことではない。

そんな彼女が旦那さんの仕事の都合で州外に引っ越すとのことで、インスタでMovingOutセールをしていた。さすがクリエイター、売り出すものもなんだかオシャレである。そこで目に止まったのが、オーバルのお皿。スパイスカレー作りが好きな自分、カレーに合うオーバルのお皿をずっと探していた。妊娠してから会えてなかったし、引っ越す前に会いたいと思っていたし、ちょうどいいと思い連絡、彼女に会ってきた。

「他にもプレートあるんだけど欲しいものある?誰も買ってくれないからさ」と聞いてくれた。うーん、これ以上お皿増やしたら我が家の物欲ゼロ夫にもうお皿はいっぱいあるでしょ、とか色々言われそうだしなあ。でも、くれるというなら・・・。「この赤いお花柄のやつと、黄色いチェック柄のオーバル皿、気になる。ちなみにこれらのお皿はどこで買ったの?」センスのいい彼女がどうやって物を集めているのか気になった。「フランスだよ、あとはお母さんにもらったり」おフランス?!急に他のお皿も魅力的にみえてきた。ただここでやっぱりあれもこれも欲しい、なんて言ったら、自分がお皿そのものではなく、どこで作られた物なのかとか、どういうブランドなのかとかで、物の価値を決めているということになってしまうじゃないか。ここは自分の最初の直感を信じて、外面起因の物欲をグッと堪えた。

考えてみれば、自分は何か物を買うときに、まずはブランドをみてしまう。自分の審美眼に自信がないから、ブランドに頼る。ブランドがあれば、その物がいいのか悪いのか考える必要もないし、批判されても傷つくことがない。(批判されることがそもそもない)小さい頃から姉に、自分がいいと思ったものをけなされてきたことが少なからず関係していると思う。あはは。妹あるある。だから例えば、私の集めるお皿は、ジノリとかウェッジウッドとか、ロイヤルコペンハーゲンとか、そういうものばかり。こういう伝統的なブランドの良さももちろんある。歴史に裏付けされた技術は見ていて飽きない。これらのお皿が綺麗に揃った食卓は美しく、欠点がない。ただ、その完璧さに息苦しくなることもある。例えば今、家にあるプレイスマットが、それらのお皿に合っていないことが気になったり、食器を一式揃えないといけない感覚に陥ったり。

彼女の集めるお皿はいい意味で統一感がなく、本当に自分の良いと思ったものを揃えている感じがした。ブランドに自分の美的感覚を任せ、綺麗に揃えようとしている自分にはとっても眩しかったァ。結局、最初に欲しいと思ったものは実物を見たらオーバル型じゃなくて普通の丸皿だったけど(なぜ)、結果オーライ。自分の美的感覚を信じて、物を選んだ記念である。少し勇気がいるけど、いつか雑多に自分の好きなお皿を並べた食卓、作ってみたいねえ。身の回りにあるものも、生き方も、綺麗に整っている必要はない。はみ出たっていいんだよねえ、と自分に言い聞かせる。とりあえず、このモチベーションのまま、Brimfield Flea marketに行きたいナァ。



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